自由すぎるシングルファーザーの頭のなか

自由に生きる三姉妹のシングルファーザーの頭のなかがダダ漏れ。

強さよりも、しなやかさ

精神病院に通っている。そこで精神安定剤睡眠導入剤をもらって飲んでいる。だからといってメンタルが弱いかというと、そんなことはない。逆にタフな方だと思っている。精神科医から「きみは飄々(ひょうひょう)としている」と言われるくらいだ。先生、それ、病院通わなくてもよくないっすか。何があっても動じないというわけではないけれど、心が折れることがない。トーナメントでは1回戦で負けそうだが、バトルロイヤルではわりと最後まで残っていそうだ。


以前はかんたんに心が折れかけていた。折れやすいようにミシン目が入っているんじゃないかというほどだ。だから心が折れないように、強くなりたいと願っていた。けれども、強くなろうとすればするほど、心はもろくなっていった気がする。あるとき、強くなることをやめた。強ければ折れる。そのかわりに柔らかく構えることにした。そうすると曲がるけれども折れない。


離婚、シングルファーザー、オフィスの閉鎖、縁もゆかりもない土地への移住。大変ですねと言われるけれど、本人としてはそうでもない。以前だったらとても耐えられない状況なのだけど、今は飄々と受け流している。まあ、人生いろいろあるよねと。そこで無理やり元気をだそうとしないし、立ち向かおうともしない。ただ目の前の現実を受け入れるだけだ。


ただ受け入れて、それ以上のことを考えない。例えばなにか辛いことがあったとする。そこで「ああ、自分はなんて不幸なんだ」などと考えない。ただ「辛いことがあった」ということだけを受け入れる。そうすると、自分は不幸でもなんでもない。何かが起きた。ただそれだけだ。そして、辛いことがあったら、ちゃんとヘコむ。戦わない。自分が強くないことはわかっているので、フニャッとヘコんで受け流す。


人は生まれて死ぬ。難しいゲームではない。死ぬまで生きればゴールだ。その間をいかにおもしろく過ごすかでスコアが決まる。おもしろく過ごすためには、嫌なことは避けたい。ガードすればライフを削られ、反撃すればそれ以上の力で押しつぶされる。とにかく受け流す。倒さなければならないボスなんていないのだから、回避能力さえあればレベル1でもクリアできる。強くなろうとしないこと。それがこのゲームの攻略法だと思っている。